東北に捧げるコンサート アンドラーシュ・シフ(2)


2夜目のアンドラーシュ・シフのコンサートは
3月16日(日)赤坂のサントリーホール。
先日の800席の紀尾井ホールとは違って2.5倍の2000席ほど。
この広い空間にシフの重厚なベートヴェンが、、、
そしてあの美しいピアノ音が響くのだと思うと
席についても期待感がいっぱいでした。

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サブタイトルである”東北に捧げるコンサート”は
奥様であるヴァイオリニストの塩川悠子さんの関係上、
日本とは密な付き合いをされ、
震災に遭われた方々に対して心を痛めておらたようで
シフ自身「被災地のことを忘れてはいない事を表明したい」と
企画されたコンサート。
この日のコンサートの出演料と
プログラムの売上は全額寄付されたそうです。

いつものようににこやかにゆっくりと舞台中央へ。
四方八方に丁寧にお辞儀をされピアノの前に座られると、
うつむいて犠牲になられた方々のご冥福を
しばらく祈っておられるようでした。

先日の紀尾井ホールのピアノはシュタンウェイでしたが、
この日はお気に入りのベェーゼンドルファー。
最初の曲、6つのバガテル op.126を弾き始められた時、
いつもながらの透明でとても純粋な美しい音色が響き渡り、
すでにシフの世界が広がりました。

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ベートヴェンとなるとたいがいの演奏家は押し付けがましく、
攻撃的な音になりやすいのですが、
天空から天使や妖精が舞い降りたような優しく美しい音。
シフの音楽は演奏家を通り越して、
あたかも作曲家が弾いているような、そんな錯覚に陥ります。

どの曲も素晴らしく時間が止まればいいと思うほどの演奏。
とりわけアンコールのゴールドベルク変奏曲の弾きはじめは
オルゴールのような綺麗で優しい音色でもう夢心地でした。

ピアノからフォルテ、フォルテからピアノ、
つねに磨かれたその音色の多彩さは聴く者の心に染み渡ります。

シフc

梶本音楽事務所のHPには
ベートーヴェン最後期の3曲・・・「6つのバガテル」と最後の32番のソナタ、
そして「ディアベッリ変奏曲」
およそピアノが好き、音楽を愛する者であれば
その選曲の意味するところはピンとくるはずです。
享楽的なもの、舞踊的なもの、
抽象的オブジェなど音楽に色々な面がある中、
特にこの晩年のソナタと変奏曲は“祈り”という面で、
恐らく人の歴史上最も深化し、高みに達したもの。
このコンサートは、たくさんのお客様と共に
最高の音楽を捧げて祈る、という祭儀の場となるはずです。。。と

2曲のアンコールの間に通訳と一緒に舞台へ。
おっとりとした口調で
「3年前、東日本大震災のニュースを聞きました。
その後、日本の方々が力を合わせて
困難を乗り越えている姿には尊敬し、
世界に向けて素晴らしい模範を見せて下さったと思います。
失ったものは取り戻すことはできませんが、
最も重要なのは人々による思い、思いやりだと思います。


ベートーヴェンは、この頃作曲した『ミサ・ソレムニス』において
“心から出、心に入らんことを”と書きました。
またベートーヴェンに戻りましょう。
今度は同様に『ミサ・ソレムニス』と
密接に関連がある『第30番op.109』を弾きます」
と(一部引用)

大地震と津波に襲われた東北に
祈りの音楽を捧げられた素晴らしいコンサート。
シフの心からの祈りの演奏を感じながら
多くの被災者のご冥福を祈りました。

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3月16日(日)サントリーホール

<プログラム>”東北に捧げるコンサート”

*ベートーヴェン: 6つのバガテル op.126
1.バガテル ト長調 op.126-1 Andante con moto
2.バガテル ト短調 op.126-2 Allegro
3.バガテル 変ホ長調 op.126-3 Andante
4.バガテル ロ短調 op.126-4 Presto
5.バガテル ト長調 op.126-5 Quasi allegretto
6.バガテル 変ホ長調 op.126-6

*べートーヴェン: ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
*ベートーヴェン: ディアベッリの主題による33の変奏曲 ハ長調 op.120

日本初披露となる『ディアベッリ変奏曲』は
ベートーヴェン・ソナタ全曲チクルスを終えたシフが、
取り組んだ最新のレパートリーだそうです。

<アンコール曲>
*バッハ:「ゴールドベルク変奏曲」より”アリア”
*ベートヴェン:ピアノソナタ30番ホ長調作品109

座席S席1階17列24番(真ん中辺りでした)

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音楽 | 2014/03/18 00:02